越境ECとは、インターネットの通信販売サイトを通じて、行われる国際的な電子商取引をいいます。
近年、日本でもECの利用者数の増加に伴い、また、高品質で安全な日本製の商品が外国人から人気を博していることから、この越境ECが盛んに行われるようになってきました。
実店舗で海外へ進出することに比べ、コストとリスクを大幅に抑えたうえで商圏を広げていけるため、新たなビジネスとして注目を浴びています。
今回は、越境ECを行うに当たってのビジネスの可能性、注意点などをご紹介させていただきます。
目次
越境ECの種類
越境ECを行う方法はいくつかございますが、ここでは、代表的なものをご紹介させていただきます。
自社で越境ECサイトを構築する
自社で越境ECサイトを構築し、運用する方法があります。
まずは、どの国をターゲットにするかを決め、その国の言語や決済方法などを現地のニーズに合わせていきます。
システム構築・運用に初期投資とランニングコストはかかりますが、軌道に乗れば高い利益率を確保できます。
現地のECモールに出店する
越境EC販売が認められているECモール、例えば、中国最大のECモールサイト天猫(Tmall)、190ヵ国に出品可能な世界最大級の越境ECモールサイトeBayや楽天、Amazonなどに出店する方法です。
ECモールでは決済や翻訳サービスなど基本的な機能が充実していますので、すぐにでも事業をはじめることが可能です。
また、ECモールは集客力が高いため、消費者の目に留まりやすいですが、それだけ、競争が激しくなります。
越境ECのメリット・デメリット
越境ECのメリット
- ビジネスチャンスが広がる
日本以外の顧客を獲得できるため、ビジネスチャンスが広がる可能性がたかまります。また、日本で当たり前になっているものであっても、海外ではまだまだ普及していない場合には、市場がより大きくなる可能性もあります。 - 実店舗を持たずに参入できる
従来、海外で販売を行う場合、実店舗を持つために、現地法人を立ち上げたり、販売代理店を通じたりと大規模な資本を有していなければ、なかなか進出できない状況でありました。
しかし、越境ECの場合は、そういった実店舗を持つ必要がないため、大きな資本を有していない中小事業者にとっても容易に参入できる環境にあります。
越境ECのデメリット
- 異なる法規制、商習慣等への対応
販売する国や地域によって法規制や商習慣等に対応する必要があります。また、個人情報の取扱いも異なってきます。
それらは知らなかったでは済まされない問題に発展する可能性がありますので、日本での販売以上に、現地の状況を詳しく理解する必要があります。 - 高額な物流コスト、為替リスクの認識
越境ECの場合は、日本から海外に発送を行うため、物流コストが高額になります。また、輸送に時間がかかるため、紛失するリスクや納期対応も重要になります。
外貨決済で行われる場合、為替リスクを認識する必要があります。
越境ECの可能性
越境ECの市場規模は今後も、年間平均成長率は約27%で推移し、2027年には4兆8,561億USドルまで拡大すると予測されています。
令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)_経済産業省
そのため、スタートアップの事業のひとつとしても越境ECをはじめることは、大きなビジネスチャンスがあると考えます。
当事務所では、開業支援、国際税務のサポートを主たる事業として実施しておりますので、越境ECにご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。
[…] 越境ECについては、前回のブログ「越境ECとは?」で概要をご説明させていただきました。 […]